中学生前編

中学生になり、「学ラン」を着ることになりました。私は、学ランを着ることが、毎日男装をしているように感じていました。 自分の姿を鏡で見るたびに、「私はなんでこんな事になっているの…?」と思い、どんどん男を演じていくことへの苦痛を感じました。

正直セーラー服が着たくて仕方がなかったです。それでも、着たいと言えるような状況でもなかったし、「三年間どうにでもして耐える」と決めました。

自分の中では辛くて仕方が無かったのですが、 親に相談することも出来ず、女を隠して三年間過ごすことを決めて、入学しました。始めはよかったものの、無意識のうちに仕草などで女が出ていて、気がついたら周りから「オカマ」と呼ばれ、いじめられるようになりました。

「オカマ」と呼ばれるだけだったいじめも次第にエスカレートしていきました。
私がトイレの個室に入ると、扉の前に人だかりができるようになりました。最初は10人ほどが大騒ぎしていましたが、最終的には20人を超えていました。

もちろん、それだけで留まることはなく、トイレの個室の壁を登って上から覗かれたり、上から水や殺虫剤をかけられたりしました。仲の良かった女の子が先生に報告してくれたものの、いじめが収まることはありませんでした。

その子がずっと助けてくれていましたが、いじめに巻き込まれてしまい、不登校になってしまいました。その子にお礼を伝えたかったのですが、卒業式に来ることもなく、進学先もないままやめてしまったそうです。

私はその話を聞いた時、どうすることもできず、どう償えばいいかということを考えて考えて、死のうとしましたが、「このまま男としては死ねない」と思い、現在まで生きています。

中学校でもプール授業があり、プールに入ることが生理的に受け付けられず、初めは忘れ物したという言い訳をして逃れていました。しかし、先生に「サボると成績を1にするぞ」と言われたり、親に電話がかかってくることもありました。

本当の私を隠すためにいろいろな手を使いましたが、隠すことは自分にも周りにも嘘を付いているようでとても辛かったです。

そして、修学旅行に行く時、大泣きしながら親に「行きたくない!」と頼み込んだものの、 無理やり引っ張って連れて行かれました。お風呂は人がいない時間を狙って、角でこっそりシャワーを浴びていました。なんとか2日過ごしましたが、決して楽しくはありませんでした。

同室の子とは、カードゲームなどをして盛り上がりましたが、消灯時間を過ぎたあとに、連日行われた「恋話」、そして、詳しくかけませんがいわゆる「動画」の話題になった時には、正直気持ち悪かったし、「ニューハーフ」の話題になった時はわけがわからなくなりました…。

今振り返ってみて、女子として修学旅行に行きたかったし、もっとはじけたかったです。 でも…それはそれでたのしかったし、中学生男子の人たちの心のなかを知れたのは知れたので幸せだったかな…。