それいけ!ドンくん 読者メッセージ2
Time- 1:36 Year-2009 投稿者:gidmedia久々にこの日記を見たら、もう大分更新されてる!!
そして失礼だけど、
話はかわりますが、
それではこれからもドンくんの活躍を応援していきたいです!!!
教えをたくさんくれた社長面接から、1日、2日、3日経ちました。結果が不採用の場合、連絡はありません。ということは・・・だめだったか・・・。鳴らない携帯電話とにらめっこして眠れない日々を過ごしました。月ばかり眺めて。目の下にはずいぶん濃いクマが出来ました。
そんなある朝、電話が鳴りました。その電話で僕は初めて内定をもらったことを教えられました。震えて声が出なかったのを覚えています。
人事の人が僕に言いました。「選考の初めから終わりまで、みんなの評価、良かったわよー」
「ありがとうございます!!」僕はもうそれしか言えませんでした。嘘みたいに小躍りしてしまいました。
電話を切ってから、しばらく震えがとまらないくらいドキドキしていましたが、やっと自分なりの結果を出すことが出来た喜びを、お世話になっている人に伝えようとすぐに連絡をしました。スーツを置かせて頂き、選考に落ちるたび鼻水垂らして泣いた僕を励ましてくれたニノさん、秘密の就活をする勇気をくれた僕の尊敬するお姉さん、大学での僕をずっと応援してくれたゼミの教授、そして僕の大切な本当の妹のような友達、それぞれにそれぞれの感謝の気持ちを込めて、「内定頂きましたー!」と報告しました。
就活を始めようと、それも挑戦する就活をしようと夜中に泣きながら決めたときは、僕はこの世界にたった一人しかいないような悲しい気持ちでしたが、いざ就活を終えてみると、たくさんの人に支えてもらい、時には怒られながら、そうやってみんなと一緒に僕は生きているのだと実感しました。生かされているのだと。
そして、僕の中に残った、たくさんの企業との出会い、人事の方との出会い、面接での出会い、多くのことを学び、気付きを得た日々、本当に感謝しています。
何度くじけそうになったか分かりません、夜寝られずに何度もふらふらになりました。心ない企業に腹立たしさを感じてしまった日もありました。でも、僕はやっとここまで来れました!!やったぞーーー!!!みなさん、ありがとうございました!!ここで感じた恩は、一生をかけて返していくつもりです!
後日、内定証書をもらいに行き、僕は人事の人と面談をしました。その際に、通称名を使わせていただけないかとお願いしました。人事の人は快く通称名の使用を認めてくれ、「男性として働きたいということは、もう男性社員として扱えばいいのか」と確認してくださいました。僕は、そうです、よろしくお願いいたします、と答えました。
人事の人は面談の後すぐに内定証書の宛名を通称名に変えてくれました。上から紙を張っただけの簡易式ではありましたが、その心意気にとても感謝しました。(今までずっと本名で選考に参加していたので通称名の存在を人事の人は知らず、内定証書には本名が書いてあったのです)
朝礼で僕のことを紹介してくださるとのことだったので、社員さんがたくさんいるところに僕が行こうとすると、役員面接をしてくれた方が僕を待っていてくれて、ギュッと握手して「また君にあえて嬉しいよ」と笑ってくれました。副社長さんは相変わらず元気に「よっ!!」と挨拶してくれました。社長から証書を受け取るとき、僕はあまりに緊張しすぎてロボットみたいな動きになってしまってみんなに笑われてしまいました。
男として、ここで働けるんだ・・・。僕はとても不思議な感覚でその日を終えました。
受けていた最終選考がことごとく落ち、僕はまた振り出しに戻る怖さと、先の見えない疲労感でずいぶん精神的に辛くなってしまいました。
夜もなかなか眠ることが出来ず、2時、3時と目を覚ましては、窓から外の景色を眺めていました。ずいぶんと爽やかな夜風が吹く日には、真っ暗な外をずーっと眺めては、時々涙が流れました。僕は昔から月が大好きなのですが、こんな辛いときも、月は温かく空に輝いていて、僕は月を眺めてはずいぶんと心を落ち着かせていました。
夜の町は、しんと静まり返っていてまるで人がいないようだけれど、この町に、この空の下に、たくさんの人が生きていて、生活していて、頑張っているんだなと夜空を眺めては思い、だから自分も頑張ろう、そう自分に言い聞かせては布団の中に潜り込んでいました。
性別は問題じゃない。それは今までやってきてそうだったはず。後は、本当に自分の本気さだけだ。
本気。本気。切羽詰った状況が僕をさらに引き締めていくのを感じながら過ごすようになりました。
ある大手のマーケティング会社の1次選考がありました。
提出する書類には性別について書けるようなスペースがなく、面接のときに説明するしかない状況でした。
僕は正直とても怖かったです。
面接という場で説明することをやったことがなかったのです。
履歴書を渡して、それでダメなら選考に落とされるだけ。
面と向かって傷付いたことがなかったので、今まで避けていた『面と向かって自分のことを説明するしかない』ということがとても怖かったのです。
もし、面接官が若手の社員だったら、事情を把握できずに迷惑かけるかもしれないからその時はやめておこう・・・とか、集団面接だと他の子に悪い影響を与えてしまうのではないだろうか、とか、色々考えては逃げようとする自分と闘っていました。
その日の夜はほとんど寝ることができませんでした。
でも、大手の会社だったし、何も言わなくてもネクタイしている時点で落とされる可能性は高かったし、どうせ落とされるなら、次に活かせることをやって落とされる方がまだいいじゃないか。
そうやって自分を何度も説得し、僕はその日会場まで行きました。黒いネクタイを締めて。
僕を入れて4人の学生による集団面接でした。
面接官は一度説明会で会ったことのある、人事部長の人でした。
「この人であれば言っていいだろう」僕の決意は一瞬でした。
面接で最初に行なわれる1分間の自己PRのときに、僕は「戸籍は女性ですが、男性として生活し、男性として働きたいと思っています。ですから本日はこのような(メンズスーツ)格好で来させて頂きました。私の所属するゼミは~・・・。」と言いました。
もちろん、すんなり言えませんでした。何度も噛みました。何度も言葉を詰まらせました。
それでも言い切りました。面接官の人は僕に関する書類と僕とを交互に見ながら、一瞬身体を反らしました。
一緒に選考を受けている子達がみんな僕のほうを見ていました。
僕の背中は汗でびっしょりでした。
そして選考は続き、最後に言っておきたいことはありますか?という質問に対して僕は「最初に自分のハンデについて説明させて頂きました。確かにこれはハンデになるかもしれません、御社に迷惑をかけてしまうかもしれない、それでも、他の人の何倍も頑張るつもりです。必ずハンデを乗り越えてみせます。私にはその自信があります。」と言いました。
もちろん、すらすらとこう言えたら良いのですが、たくさん言葉を詰まらせました。
それでも僕はやろうと思っていた挑戦をやり遂げたことがとても嬉しかった。
できることは全部した感じでした。
落とされる可能性は確かに高いけれど、選考に通る通らない以前に僕は今日の選考でひとつ勇気を手に入れた気がしていました。
しかし、やりきった気持ちで会場を後にした僕は、最初に感じていた達成感よりも今度は自分のしたことが果たして良いことであったかどうか悩み出していました。
もしかしたら、僕はとんでもない馬鹿なことをしたのではないだろうか。
いや、馬鹿なことなんかではない。でも、こんな危険なこと・・・こんなこと言って、通るわけない。
でも、この道しかなかったんだ。でも、でも、でも・・・。
僕は決してかっこいい人間ではないのです。
僕の行動が、他の僕と同じ状況の人たちにいい影響を与えられれば、僕がダメでも頑張ろうと思えるのも確かです。
でも、僕自身、どこにも行くあてがないのではないか、と考えると僕の取っている行動が自分に不利なのではないか、僕は馬鹿なことをしているのではないか、という恐怖に駆られてしまうのです。
何もかも忘れてしまいたい。逃げてしまいたい。
帰りの電車の中から外を見ていたら、反対側の駅のホームで小さな男の子が楽しそうに走り回っていました。
そしてそれを優しそうな眼差しでお母さんらしき人が見守っていました。
その景色を見た途端、僕は泣いてしまいました。
胸がキュッと締め付けられるような痛みを感じて思わず泣いてしまったのです。
漠然とした何ともいえない気分になりました。
親の望む就職活動を行なえていないことへの罪悪感からかもしれませんし、自分の選んだ道のとめどない不安感からかもしれませんが、僕は自分が限りなく愚かに思えて仕方なくなっていました。
僕の決断が、果たして僕にとってどんな意味になるのか今はまだ分かりません。
何年後かに振り返ったとき、逃げなかった自分を称えられるようになっていたい気持ちでいっぱいです。
*この日行なった選考に僕は無事通過することが出来ました。諦めずに言って良かったなという気持ちと、僕を選考に進めてくれた人事の人の想いに心から感謝する気持ちでいっぱいです。
ほいほいと、上手い具合に進んだ選考がありました。大手の人材サービス会社です。
面接官の人とは話しが合い、いつも終わった後は楽しんでいたなっという感想。
そんな企業の最終選考がありました。
僕は、きっともう受かったも同然?位に思ってしまっていました。甘かったのです。
僕はその選考に落ちました。話しもいい感じでいったと思います。
給料の話も、僕の性別のこともOKと言ってくれました。それでも、僕は落ちたのです。
悔しかったし、とてもショックで。涙が出ました。
どうして?どうして?
でも考えれば、色々甘さが見えてきました。僕は、図に乗っていました。
性別のことがクリアされても、人として選考されているだけの話。
それなのに、性別がクリアだからってもう他の人よりも1歩リードしているような気になっていて。
ただスタートラインに立っただけなのに。
1回しか会えなくて、それだけの時間、自分を本当にぶつけられていたのか。
どうして僕はもったいないことをしたんだろう。
僕は、がむしゃらに就職しようとする自分を隠そうとしていたのかな、余裕のフリをしていたのかもしれない。
だとしたら、僕は何て、愚かだったのだろうか。
人との出会いは大切なのに、僕は前を走る先輩達に恥じぬように、そして後から追いかけてくる後輩達のために、もっと良い社会を作るために、ただ自分ひとりだけの道ではなく、みんなの道を走っているのに、僕が台無しにしてはだめだ。
かっこ悪くたっていいじゃないか、その後にかっこいい自分がいるのなら、そのためにがむしゃらに食いついて走って汗だくになりながら、頑張ろう、頑張ろう、先が見えなくても、今はまだ、不安に押しつぶされそうでも、それでも、また次頑張ろう。
そういって何度も自分を奮い立たせてみました。
しかし、それからしばらくはその時の選考のことが忘れられず、何度もベットから飛び上がるくらいうなされました。
面接でされた質問が何度も頭の中で繰り返されました。
悔しい気持ちと、一気に地面を失ったような恐怖感が襲ってきました。
何度もベットを殴りました。自分の甘さが許せませんでした。
もう一度ゼロからやり直そう。
何日か経って、僕は再び最初から就職活動をやり始めました。
その時点で、20社余り選考を受けて全部落ちていました。本当にゼロからやり直しでした。
今日は、あるIT企業の一次面接がありました。
その企業には筆記試験のときに履歴書を提出しなければならなかったので、そこで「男として働きたい」ということを書いておきました。
その企業の雰囲気を説明会のときに感じて、ここの企業は僕みたいのはダメだろうな......って勝手に思っていたので面接の連絡自体が驚きでした。
まぁ、そんなどっちかというと固めな雰囲気の会社だったので、面接の時点で落とされるのだろなと思っていたんですけどね。だから、やるだけやろうって気持ちでした。
ここに面接に呼んでくれただけでも儲けもん。会ってくれるだけで儲けもん。
もう怖いものなんて何もない!そんな気持ちで面接に行きました。
僕がその日の面接の最後の学生だったみたいで、一人待合室で何分か待ちました。
その間に面接官の人が僕の普通とは違う「備考」付きの履歴書に目を通しているのを僕は感じ取っていました。
どういう風に思っているのだろうか。やっぱりそんな人間の面接なんてやりたくないのかな。
はずれくじでも引いた気分にさせてしまっているのかも。
呼ばれるまでの間、考えても仕方ないことを色々考えていました。
そして、僕は呼ばれました。
その日の面接は一次ということもあって若手の社員さんによる面接でした。
面接官の人は沖縄チックな顔立ちの、良い人そうな印象。僕は不思議と緊張していませんでした。
最初、その人は僕の目をあまり見てくれませんでした。
面接的な質問、志望動機とか自分の長所とかを聞かれて、それに答えている間その人はちょっと目をあわせてもすぐにそらしてしまうみたいな感じでした。
僕は、この人が初めて見る『女だけど男みたいな僕』をまだ受け入れられないのかなって思いながら話していました。
でも、その日は本当に不思議と緊張していなかったので、僕は話しに詰まることもなく自分の言いたいことをどんどん話していました。
気が付いたらその人は僕の目をずっと見てくれるようになっていました。
僕はその人のまっすぐ見つめるまなざしを心地よく感じながら、ITの業界についての問題や仕事内容についての簡単な質問、社長の人柄など、その人に向かって色々と質問をしました。
話をしながら僕と面接官の人は笑っていました。もう面接というより雑談という感じになっていました。
「お酒飲みすぎて新入社員のときに10キロ太ってね」
「そーなんですか?!大変ですね」
そんな会話がずっと続いていました。
30分くらいの面接が、気が付けば1時間にもなろうとしていました。
「あ、いけない。もうこんな時間だね」
面接会場として設けられた大きな会議室に僕とその人、たった2人しかいない。
僕と面接官の人は周りを見渡して一緒に笑いました。
僕は、こんな楽しい面接は初めてでした。
そして、これで終わりにしようかっと帰る準備をしていたときに、その人は僕に向かって言いました。
「君と一緒に仕事がしたいよ、一緒に営業やってみたい」
僕はただ笑うしか出来ませんでしたが、とても嬉しく思いました。
僕にとってそれはどんな褒め言葉より嬉しい言葉だったのかもしれません。
「こんなこと言っちゃまずいかもしれないけど、次の面接はもっと上司の人だから」
その人は笑って僕に言いました。
「ありがとうございます!」
この言葉以外にこの気持ちを代弁する言葉はきっとないでしょう。
僕はもしかしたらただの社交辞令かもしれないその言葉を、大切に受け取りました。
その人が持っている僕の履歴書には他の人とは違って手書きで付け加えた「備考」がある。
それをその人は読んでいる。
それでも僕はこの人に認めてもらったんだ!!
嬉しくて、嬉しくて、もし、例えこの面接が落ちてしまっても、この言葉を宝にこれからも頑張ろうと決意しました。
一週間後、僕はこの人とやった面接を無事通過し、二次選考に呼ばれました。
一次より、二次の方が年上の人だし、年上の人のほうがどちらかというと例外を好まないと思うから、難易度で言ったらぐっと難しくなるだろう。
でも一次で僕を認めてくれた人が何年か後に二次面接の面接官になっているかもしれない。
そしたら僕みたいな子と再び出会ったとき、僕を思い出してくれたら、ただ書類だけで判断せず、ちゃんと会ってくれるに違いない。そして、人間としてちゃんと見てくれるに違いない。
だから僕のしたことは続いていく。僕のしたことはこれから続いてく。
僕は例え二次選考が難しくて認めてもらえなくて、悲しい結果しか待っていなかったとしても諦めない、逃げない。二次選考の人に良い印象を残せれば儲けもん。会って話せるだけで、本当に儲けもん、後は自分次第。
そして頑張れば、この先に続いていける。だから僕は、諦めないぞ!
※後日談
この企業の選考は次の役員面接で落ちてしまいました。しかし、いい出逢いがあったことは感謝しています。
男として就活することを家族には秘密にすると決めてから、今度はそれを可能にするための準備を始めなければいけませんでした。
家からメンズスーツを着ていけないのなら、誰も知らないスーツを買っておかなければいけません。
スーツだけじゃない、就活道具一式を揃えなければ・・。そしてそれを置いておく場所が必要になりました。
大学の女の子の友達で、一人暮らしをしていてとても信頼している子がいたので、その子にスーツとネクタイを臨時に置かせてもらいつつ、GIDmediaの二ノ宮さんにお願いし、自宅に置かせてもらうことができました。本当に感謝しています。
その反面、誰かに迷惑をかけて就職活動しなければならない自分が情けなくて嫌にもなりました。
人に甘えるのが苦手なので、すごく自分が許せなかったりもしました。
けど、それ以外に方法はないし、いい結果を残す、そして自分が頑張ることで精一杯応えようと思っています。
さて、スーツを買いに行ったときのこと。
お店の人は俺を女と知ってか知らずか、それでも案内してくれたのはメンズスーツでした。
そのときさすがに身長、さば読んじゃいました。身長低いって男としてなかなかハンデですよね。
そしていざ購入・・・名前と住所を書かないといけない!けど本当のことは書けない!
本当の住所を書いたら親にばれちゃうし、メンズスーツ買いに行っているのに女の名前なんて書けない!
さーパニックになりました!震える手で、財布を探り・・・何か代わりに使える住所はないか・・・本当に手が震えました。汗だくでした。
そして、たまたま近所の皮膚科の診察券があったのでその住所をちょっといじったものを書きました。
あの時はちょっと罪悪感とドラマのような非現実的な感じがしました。
お金もあっという間に無くなってしまいました(笑)。
僕は、自分に正直に生きようと思ってから、本当に良い出会いをしていると思います。
まるで、それが僕の選ぶ道だからなんだって、思ってしまうくらいに。
その出会いの中で、ひとり、お姉さんみたいな存在の人と出会いました。
こうしてやる気を失い、切羽詰った僕は、そのお姉さんに相談することにしました。
その人は仕事で大変な中、わざわざ僕に会ってくれました。
そして僕はその人の前で泣きました。情けないほどに。
いつも優しいその人は、そのとき僕に厳しく言いました。
「それは分かっていたことでしょ?前から秘密にして就職するつもりだったんでしょ?状況は何も変わってないよ。状況は別に悪くなったわけじゃないでしょ」
「どっちにしても家族に嘘をつくことになるけど、突っ走って家族を直に壊してしまうより、嘘をついたとしても家族を思うからであるなら、そっちの方がいいんじゃないかな?」
僕は甘えん坊です。情けないです。
でも、この時厳しく言ってもらえたからこそ、僕は再び自らに誓いをしたのです。
「嘘をつこう、でもそれは家族を守るためだ、そうまでもしても、僕は諦めない、僕は諦めない」って。改めて。
僕は再び就職活動をやる気になりました。
-続く