第9回GID学会

第9回GID学会(07.03.17)

まず、発表のためにアンケート調査にご協力いただきました皆様に、心から感謝します。
ありがとうございました。

今回初めてGID学会に参加したのですが、まずは参加者に当事者が非常に多いことが印象的でした。

アカデミックな場面に当事者が参加するということは、学会自体を盛り上げることになりますし、
当事者が治療や法律などの現状を把握しているという事実は、
専門家や研究者には刺激やモチベーションを高めることにつながったり、
いい意味でのプレッシャーにもなるのでとてもいいと思います。

ただ、私としてはせっかく当事者の参加が多い学会なので、もっと当事者からの発表があってもよかったなと感じました。

当事者は医師や専門家に助けてもらうだけでなく、その水準を上げていくために自分たちも動いていく必要があると私は思います。

今回はポスター発表ということで、口頭発表の時間を5分くらい頂いたのですが、
その後質問を受ける時間がほとんどなかったのがとても残念でした。

ポスターを見てくれた方や発表を聞いてくれた方がどのような感想を持ったのか、
またどんな疑問を感じたのか、もう少し聞く時間があったらよかったです。

シンポジウムで興味深かったのは、埼玉医科大の高松先生がおっしゃっていた
「身体的治療に関する当事者の理想と形成手術の限界」についてでした。

「思っていたのと違う」「合併症は医療ミスじゃないのか」、術後そんな風に言われることがあるそうです。

私は治療(手術)のことはさっぱり分かりませんが、あらゆる治療を希望する人は納得のいくまで医師と話し合ってから行う必要があると思います。

これは個人的な考えですが、現在SRSを行う病院は全国でも数ヵ所しかなく、
その機会を得られることはとても貴重なことです。

けれど、医師が少ないことから選択肢はないともいえる現状で、医師に気後れしてしまい、
充分なインフォームド・コンセントを実行できない人も少なからずいるのではないでしょうか。

海外での治療では、言葉の壁や術後のケアの問題もあります。

ホルモン療法に関しても同じですが、治療は魔法ではありませんので、必ず思ったとおりにいくわけではありません。

術後の写真で私たちが見ることが出来るのは、ごくごくわずかです。そして、その多くは成功例であると思います。

見ることの出来ないうまくいかなかった例、それが自分になるという可能性もあるのです。

最初から先生を信じて全部お任せする、ということではなく、副作用や合併症など、
たとえ可能性が低いことに関しても、自らが知っていく努力が必要不可欠だと思います。

また、今回は中核群と辺縁群の話題がいくつか上がっていました。
私はこれから、辺縁群といわれる人たちが増えていくと思います。

そのために、中核群に対する身体的治療以外の対処法が必要になっていくでしょう。

GIDmediaの交流会などにも、それに当てはまるようなタイプの方のご参加があるのですが、
GIDmediaとしてもどのようにその人たちのQOLを上げられるのかということを模索しているところです。

このことに関しては、私個人の研究テーマの近接領域でありますので、公私含めて検討していきたいと考えます。

懇親会ではアルコールも入り、学会という堅い雰囲気が一気に和やかになった感じでした。

演者の先生方とお話しするチャンスもあり、またインターネットや本の中の人だった当事者の方ともお話しすることが出来て感激でした。

専門家やパイオニアである方々とお話できる貴重な機会に参加することが出来て、本当に良かったです。

当事者の視点というものは、当たり前ですが当事者にしかありません。

研究者や専門家でも、当事者でない限りは「当事者」という視点は持てないのです。

このような発表の場を行かして、当事者と専門家の相互理解を深めるような発表をしたいと思いました。

次回は大阪ですが、今度はGIDmediaとして何か発表したいですね。

準備はとても大変ですが、今回会えなかった方とお会いできるのを楽しみにしています。

渡邉